足首の捻挫は不慮の事故ではない!!捻挫をしやすい子の特徴と予防トレーニング

<目次>
はじめに
足首の捻挫とは!?
足首の捻挫はなぜ起こるのか?
足首の捻挫をしやすい子の特徴
足首の捻挫の予防対策方法
足首の捻挫の予防トレーニング
まとめ

スポーツをしている多くの人が
経験したことのある足首の捻挫。

スポーツ障害の中でも
足首の捻挫は、

不慮の事故として、

予測・予防できないもの

と考えられていますが、
本当にそうでしょうか?

 

足首の捻挫をする場面を
思い浮かべてみてください。

(ここでは、足首外側の靭帯を
捻挫するケースについてお話します)

➡ 足場が悪くて、
足首をひねってしまった。

➡ ジャンプの着地に失敗して、
足首をひねった。

➡ 相手の足を踏んだ時に、
足首をひねった。

この辺りが多いケースでしょうか。

 

足首の捻挫とは!?

足首の捻挫とは
そもそもどういう状態なのでしょうか?

私たちの足首は、

①スネの部分の大きな骨=脛骨
②脛骨の外側に並んでいる細い骨=腓骨
③脛骨のすぐ下にある骨=距骨
④かかと部分の骨=踵骨

という4つの骨で構成されています。

いくつもの骨があって
非常に不安定な関節なので、

それぞれの骨と骨をつなぐ
“靭帯”もいっぱい付いています。

“靭帯”は、

伸縮性に富んだ“筋肉”や“腱”と違って、
とても強固な組織で出来ています。

この“靭帯”が
過度に引っ張られて伸びてしまう、

ひどい場合には切れてしまうのが、
足首の捻挫の状態です。

 

ちなみに、
“靭帯”よりも骨の方が弱い場合、

“靭帯”が骨に付着している部分で
剥離骨折を起こすこともあります。

“靭帯”よりは骨の方が
元通りになりやすいので、

聞こえは悪いけど、
この剥離骨折の方が予後が良かったりもします。

もちろん程度にもよるので、
いちがいに良いとは言えませんが…

 

さて、
話を足首の捻挫に戻します。

足首のまわりに“靭帯”は
いっぱい付いているので、

厳密にはどの靭帯が伸びてしまっても
足首の捻挫ですが、

一番多く発生するのは、

小指側が地面について、
足首を内側に捻り、

外くるぶしのちょうど下あたり
の靭帯が伸びてしまうものです。

これを専門用語では、
「足首の内反捻挫」と言います。

 

足首の捻挫はなぜ起こるのか?

足首の捻挫は
なぜ起こるのでしょう???

「小指側が地面に着いて、
足首を内側に捻り、
外くるぶしのちょうど下あたり
の靭帯が伸びてしまう」

ことによって
足首の捻挫が起こりやすい
とお伝えしました。

 

足場の悪いグラウンドだったり

ジャンプの着地に失敗して捻ったり

誰かの足を踏んでしまったり

何かに足が挟まれて身動きが取れなかったり

足首の捻挫が起こるのは、
不慮の事故と思われる場面が多いのですが

これらの同じような場面を経験しても、
“捻挫する人”と“捻挫しない人”がいます。

 

では、どういう場合に
足首の捻挫は起こるのでしょう?

 

上記したような状況で
足首を捻るような場面が発生したとき、

全身でバランスを取って
力を分散することが出来れば、

足首に多少のストレスはかかりますが

足首の捻挫という
重篤なケガになることはありません。

 

足首を捻ってバランスを崩した時

体の他の部分に上手く力を分散
できなかったとき

靭帯に過度のストレスがかかって
捻挫という状態を引き起こします。

 

足首の捻挫をしやすい子の特徴

“捻挫しやすい人”と“捻挫しにくい人”
の違いは、

体の柔軟性とバランスが関係しています。

足首の捻挫をしやすい子の特徴①
立位体前屈で手のひらが床に着かない

立位体前屈は、最も一般的に
柔軟性を評価する指標ですよね。

実はここで問題なのは、

「手のひらが床に着くか?」
ということ自体よりも、

「背骨がどのくらい動いているか」
です。

股関節が柔らかいと、
簡単に手のひらが床に着く人もいますが

股関節だけが柔らかくても、
足首の捻挫の予防方法
としては不十分です。

背骨が柔らかく動いていること
が重要です!!

背骨が柔らかく動くと

足首をひねってしまった時にも、
力が分散しやすくなるので、

靱帯にかかるストレスを
減らすことができます!!!

 

足首の捻挫をしやすい子の特徴②
足の指でボールペンを拾えない

ちょっとお行儀の悪い見分け方ですが(笑)

実はとても重要です!!!

今、足の指を自由に動かせないお子さん
が急増しています。

足はいくつもの骨が連なって
構成されています。

骨が連なっているということは、
いくつもの関節があり、

その一つ一つの関節には
可動性があるのです。

足首をひねってしまった時、
これらの関節が少しずつ動くことで、

靱帯にかかるストレスを減らす
ことができます。

逆に固まっていると、

足が一つの塊としてしか動かないので、
靱帯に大きなストレスがかかり、

足首の捻挫を
引き起こしてしまいます。

 

足首の捻挫をしやすい子の特徴③
片足立ちをしたときに体が傾く

片足立ちの様子を、
後ろから観察してみてください。

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踵(かかと)の真上に
股関節がありますか?

股関節の位置が、大きく外側に
ズレてしまうお子さんは、

足首の捻挫のリスクが大きくなります。

 

片足で着地した時に、
(ランニングを含め、ほとんどのスポーツは片足接地します)

(片足立ちをした時のように)
股関節よりも内側に足が接地すると

足部の外側に体重がかかりやすくなるので
足首をひねりやすくなりますよね。

 

これには、
股関節の機能が影響しています。

股関節まわりのインナーマッスルが
しっかり働いていないと、

股関節の上で体重を上手く
支えられないので、

骨盤を傾けて、太ももの外側の筋肉で
がんばって支えようとするため、

股関節が踵(かかと)よりも外側
になった状態で立つことになります。

 

(幼少期の頃は、まだ成長段階のため、
上手く立てない場合もあるかもしれません。

小学3年生以上で、
傾いてしまう場合は要注意です)

 

足首の捻挫の予防対策方法

捻挫を予防するためには、
2つの対策が考えられます。

  1. 走るときの接地やジャンプの着地時に、まっすぐに足が着けようにする!

  2. 本当に運悪く足首をひねってしまった時に、足首にかかる力を分散させる!

1つ目:
走るときの接地やジャンプの着地時に、
まっすぐに足が着けるようにする!

股関節が硬くて
バランスが崩れていると

走っているときやジャンプの着地で
真っすぐに接地することができず

足が少し内側に入ってしまい
足首をひねりやすくなります。

また、体重のかかるラインが
微妙に外側に寄っている場合も

足首をひねりやすくなります。

これらは、

股関節の柔軟性を獲得し、
股関節の中心で
体重をとらえられるようになる

と改善することができます。

 

2つ目:
本当に運悪く足首をひねってしまった時に、
足首にかかる力を分散させること!

とは言っても、

足場が悪かったり、
相手の足を踏んでしまったり、

運悪く足首をひねってしまう
こともありますね!?

 

その場合、足首に隣接する
足の指や膝だけでなく

股関節や背骨を
柔らかく使うことができると、

足首にかかる負担を
分散させることができるので、

“捻挫”という靭帯損傷にはなりません。

 

つまり、

身体の柔軟性を高めて
上手に身体操作ができるようにすることで

例えバランスを崩したとしても
捻挫を引き起こすリスクを予防できます。

 

足首の捻挫の予防トレーニング

それでは最後に、

足首の捻挫を予防するための
トレーニングを幾つか紹介します。

背骨の柔軟性を高める体操

背骨の柔軟性を柔軟性を高める
6分間ストレッチを

こちらの動画にまとめて紹介
しているのでご確認ください?

 

足の指を動かす体操

足の指を1本ずつ動かしていき
大きくグーとパーをできるようにします。

詳しいやり方はこちらの動画を
ご確認ください?

 

股関節の柔軟性を高めて
真っすぐに接地するトレーニング

股関節の柔軟性を高めて
真っすぐに接地するためのトレーニングには
様々な方法がありますが、

その中でも比較的簡単に取り組める
方法をまとめて紹介しているの

こちらの動画を観て
一緒にやってみてください?

 

まとめ

足首の捻挫は、程度によって

長期間スポーツを
休まなければいけなかったり、

クセになって、
何度も繰り返してしまったり、

最も多く、最も厄介なケガの一つです。

しっかり体操して、
予防しておきましょう!!

足首の捻挫の原因と予防について
こちらの動画でも解説しているので

ご興味ある方は見てみてください?

 

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臼井 美由紀

 

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